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Statement

ゴミを捨ててください/ゴミをお持ち帰りください Please dump trash into this trash can/ Please take trash home from this trash can / Satoshi Hashimoto

May 15, 2016 / Action

ゴミを捨ててください/ゴミをお持ち帰りください
抽象直接行動198の方法(仮):60. ゴミ箱、68. 作品を置く
Please dump trash into this trash can/ Please take trash home from this trash can
198 Methods of Abstract Direct Action (tentative) : 60. Trash can, 68. Install a work
2016.5.13-15, MUJIN-TO Production

東京都現代美術館「キセイノセイキ展」にて展示されていた《ゴミを捨ててください/ゴミをお持ち帰りください》は一昨日から5/15まで、無人島プロダクションの小泉明郎展「空気」に置かれています。美術館では現在展示がされていません。

一昨日、ゴミ箱の中身が散乱されゴミ箱と指示書がなくなっていると美術館から連絡。その後、何者かがゴミ箱を無人島プロダクションの小泉明郎展「空気」まで運び、会場に置いていった事が判明。小泉さんと無人島の藤城さんに相談し、5/15の最終日までそのまま置いておく事になりました。

キセイノセイキ展において、監視員の制止を振り切りフェンスを登る人をはじめ、私の展示物に関わって美術館の管理ないし展示をブレイクするような来場者の行為が多数報告されています。それらは美術館だけでなく、時に私自身も悩ませますが、望まれることでもあります。

たいへん過剰な警戒がなされ、オープン前も後も新たに作品を置くこともフレキシブルに変更や移動をすることもかたくなに拒まれる状態がずっと続いています。そのような中で、来場者の手によってなされた作品の解体によるその場の穴とダイナミックな移動は望まれる風穴です。

一方、展示されていた「抽象直接行動198の方法(仮)」のリストが、館側によって現在持ち帰れなくなっています。再印刷に際し僅かに更新した内容を、新たなチェックと、もう1週間程ストップがかかっている。美術館ないしその者の望まぬものを検閲したい、修正させたい。その者にはそれは隠し、塞ぎたい風穴としてある。

美術館の展示室には、アーティストらが空けようとする風穴と、それを隠し、塞ごうとする行為の積層が分厚い壁のように立っている。そこにはノブも窓もなく壁にしか見えない。しかしながら、それはノブが撤去された扉、あるいは埋められた窓としてあります。

ドアや窓、穴の先に素晴しい空間やアウトサイドがあるわけではありません。仮に用意された空間のコンテンツはインストラクションのノブとしてある。その境界をまたぎ行来する行為が、空間の中で漂いぼんやり眺める空気としてではなく、空気(空間)を解体する風(穴)としてある。

しかしながら、風が吹いたからと言って注意しなければいけない。管理された扉から招かれ、外からやってきたキュレータも、アーティストも観客も、空調システム働く同調圧力によって、ミイラ取りがミイラと化す。桶屋に回収される。壁を叩き、出てくるのは、ドアや窓だけでなく、ミイラの断片も採掘さることでしょう。

美術館は墓場に形容される。それは作品だけでなく人々に迄至る。知らぬ内に棺桶の中。役割分担的な観客も、キュレータないし職員も、アーティストも空間を構成する空気のように収蔵されます。解体すべきは、そういったパーテションでもあるが、それは外からだけでなく、内側に踏み込んで求められる。

2016.5.14 橋本聡

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